ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間
ピーター・ジャクソン 
ロボジョックス
スチュワート・ゴードン
RONIN
ジョン・フランケンハイマー
ロング・キス・グッドナイト
レニー・ハーリン


●ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間
   The Lord of the Rings 02 ピーター・ジャクソン  (ワーナーマイカル熊谷

 今後残りの二作を観ようが、DVD BOXが出ようときっと満足をすることができないだろうし、様々なクリエーターたちには 立ちはだかる大きな壁 (ようするにこれくらいできるよねという基準点)になることは間違いない。いつの間にか単な るおもちゃのプロモーション映画に堕ちたスター・ウォーズのように慰撫してくれることもない(ようするに観客をナメるっ てことだけど)。
 ただそこには圧倒的な映画体験しかないのだ。映画っておもしろいんだとため息をつける贅沢を味わおう。これが贅 沢なことだと後からわかることもまた良しだろうし、すべての細部が映画に対して奉仕している。豊かな映画とはなにか を良く知っているピーター・ジャクソンならではだ。テクニックを知っているとどうしても逃げ場を作りたくなってしまうのだ けど、彼はどの映画でも決して逃げ場を作らず、ひたすらマジメに観客を納得されるまで丁寧に撮る。そのヴィジョンの 強さは昔から変わることがない。 エンターテインメントとはこういうことだ
 どうしても長くなりすぎて3時間では収まりきれなかったことが明らかなのは、セリフのシーン以外はほとんどぎりぎりな までにカットされていることからもよくわかる。そのために リズムが性急な一方で説明過多に感じられる。まあDVDと かディレクターズ・カットで5時間ヴァージョンとかできるのだろうから、それだけでも10年は楽しめるわな。
(角田)


●ロボジョックス
 ROBOTJOX 86 スチュワート・ゴードン (ヴィデオ)

 近未来、核戦争を廃止して大国同士の巨大ロボットによる戦いで領土問題を解決するというオープニングのナレー ションに、雪が降るなか壊れたロボットが放置されている荒野をスロー・モーションで横移動するキャメラを観たときに は、「これはすごいかも。中世の甲冑戦をロボットでやるのか、スケールのでかい話なのか」と期待していたのだが、そ の後がどうもいけません。人形アニメは デビッド・アレンの惚れ惚れする動きなのですが、役者、セット、衣装とトホホ な展開であって、この大きなウソをつき続けることが出来なかったようです。まあそれはそれでオモシロイのだけれど。 ネットで検索するとトホホだけでも好きな人が多いことがわかる、不思議だ。
(角田)


●RONIN
 RONIN 98 ジョン・フランケンハイマー(新宿ミラノ座)

結局カネで雇われているだけだから格好良く無いんだよな。敵の正体も良く分からなかったしなあ。ディテールの描き方が中途半端で荒削りな爆発シーンと破壊だけが見せ所の映画に仕上がっている。
(角田)


●ロング・キス・グッドナイト
 THE LONG kISS GOODNIGHT 97 レニー・ハーリン (ビデオ) 

 記憶を失った元CIAの女スパイなんて死ぬほど観たような気がするけど、B級映画おいしいとこ取り!って感じで、ボクは嫌いじゃなかったなあ。サミュエル・L・ジャクソンがしがない探偵で、安い服を着ているけど、靴だけはぴかぴかとか、なんでもこれからすることは、歌にしながら行動するとか、渋いキャラクターを演じている。
  ジーナ・デイビスは、夫の監督、レニー・ハーリンの変態趣味に付き合わされ水車責め拷問を演じています。(なぜか、シュミーズ姿になるのね、こういう時には)。 結構、汚い言葉の連続で吹き替えか、英語が分かったらおかしいんではないかと思います。
  敵がもう少し強くて、人死にがもうすこし少なかったら、良かったのに。でも十分に楽しめるアクション映画です。ちゃんと、主人公達は傷つきながらも、紋切り調だがハッピーエンドに終わるし。
  ちなみに、ジャクソンが事務所のテレビで観ている映画は『ロング・グッドバイ』です。べたなギャグだ。
(角田)