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ノンフィクション

血族 アジアマフィアの義と絆
宮崎学:幻冬舎:\1,800
突破者がアジアに向かったのは必然といえるのではないだろうか。中国語圏を牛耳るT客家U。彼らの持つ義を重んじる結社としての強さに魅力を感じたのだろう。ここでは、数人の中国人、その矛盾に満ちた戦後から今。そしてその舎弟となった日本人の姿が描かれる。「[中国マフィア]日本人首領の手記「幇」という生き方」と併せて読んで下さい。



突破者の母
宮崎学:西原理恵子、画:青林工藝舎:\1,500
作者の中では一番軽い読み物。博徒の娘であり、やくざの妻だった母の姿を描いた、一筋縄ではいかないグレートマザー論。説教くさくないです。


[中国マフィア]日本人首領の手記「幇」という生き方
宮崎学:徳間書店:¥1,600

突破者の痛快裏調書
宮崎学:徳間書店:¥1,500

突破者の条件 
宮崎学:幻冬舎:¥1,600

突破者の日本ウラ経済学
宮崎学:アスペクト:\1,500

神に祈らず 大杉栄はなぜ殺されたのか
宮崎学:飛鳥新社:¥1,600

「反・市民」講座 資本主義を生き抜く行動学
宮崎学:リトルモア:¥1,500

生きる力
宮崎学 梁石日:柏書房:\1,600
 「資本主義社会は未来を担保にしてやってきたんだと言うことですね」と反市民講座の対談相手の上野昂志は語った。宮崎とは週刊現代の記者仲間だった。
 「突破者」以来、過剰とも言える著作、ネットでの活動、メディアへの露出。確実に宮崎学は“時代と寝よう”としている。そこには、彼自身の持つ皮膚感覚。ヤクザの家に生まれたこと、学生運動、グリコ森永事件、バブル時代と通して、カネに狂騒する日本人、マイノリティーを排除する、権力と裏表にある市民運動。これらを白いファシズムとして嫌悪していきながら、騒動屋として、ちょっかいだし続けるキカン坊の姿を借りて言いたいことは言う。
 どこか学生運動、共産党細胞であった根っこはありながら、単純に過去を隠したりするのではなく、落とし前をつけようとしている。たぶん、彼にとって著作を出すことは、出さないのと同じくらい何でもないことだろう。
 ただ存在として、(上野ならT肉体Uと呼ぶだろう)どこまでも今と対峙する潔さを見せている。それを美学と呼ぶか、カッコ付けとよぶか、は私たちへの鏡像となるだろう。



グリコ・森永事件 最重要参考人M
宮崎学 大谷昭宏:幻冬舎:\1,500
 かの怪人21面相、キツネ目の男が、ジャーナリストと対決。といっても別に敵対するようなスリリングな展開が見られるわけでもなく、宮崎氏による犯人像、事件の動機、犯罪の方法、目的などの推理が述べられている。
 そこは、「レディー・ジョーカー」ではたどり着かなかったアウトローたちの闇の世界の入り口が見える。また宮崎氏は犯人を推定している。この事件の研究本の一冊にはなるだろう。


17歳のバタフライナイフ-突破者 犯罪を語る
別役実/宮崎学:発行三一書房労働組合 発売青林工藝舎:\1,400
 別役実の80年代の傑作評論「犯罪症候群」を読んだときの衝撃はすごかった。犯罪をこのように繙く本などなかったからだ。しかし、やがてグリコ森永事件が出てきて、一億総犯罪評論家になって犯罪が陽を浴びてくると同時に別役の犯罪評論は色褪せていった。
 今回、倒産した三一書房の労働組合が、会社側の襲撃から会社財産である在庫倉庫を守っている状況のなか、この二人の緊急対談が組まれた(それは最後の部分だけだが)。
 ここでグリコ森永の容疑者、宮崎学と一緒に、かの事件から西鉄バスジャックまでを語ることで、久々に切れ味の良い犯罪評論を得ることができた。事件発生からほぼ一ヶ月後に語られたバスジャック事件などは、決して拙速ではなく的確な評論として残るのではないだろうか。
 お座敷芸と化したありきたりの犯罪評論を語る、朝倉喬司山崎哲小林久三有田芳生とはレベルの違う対談を味わって欲しいです。90年代が見えてきます。


もろびとこぞりて 思いの場を歩く
与那原恵:柏書房:¥1,600
 多くを雑誌「宝島30」などで読んだので、いいかと思っていたけど、本書は徹底的に加筆されて全く別の本になっている。いまの30代後半のライターとしては、もっとも優秀なひとりである著者は、90年代の日本を歩く。事件に出会い、出会った違和感を自分の言葉で解釈して行く。ここまでなら、田口ランディと同じだが、著者はさらに突っ込んでその裏にあるものを探ろうとしている。そこが、加筆された部分なのだが、戦後日本の歪みを、現代の病を読み解いていく好書だ。
 ドクターキリコ事件では、メールをやりとりしていた人物に会うが、実は彼らは本当に死にたいのではなく、「自殺するぞ」というのを切り札にして自分に注目を向けさせて生きている、命を弄んでいるだけなのだと気づかされる。インタビューの最後で、著者が将来なりたいものは?と問うと「いつまで生きているか分からないけど、フリーライターとかやりたいですね」と言う。著者は心の中で「人に興味が無い人間がライターができるか」と斬る。他にも、不妊治療の現場、政治家になりたい人たち、オウム対地域住民を取材し、この国の人が忘れて見ないふりを「人権」とか「市民」とかを理想と現実のギャップを見続けている。
 文京区で起こった、東大卒の父が家庭内暴力の息子を金属バットで殺した事件については、マスコミでは、全共闘世代の父を支持する論が多かったが、実はそうではなく、凡庸な地方のエリートの父は東大に入り、有名出版社に入るコースを選んだ。荒れる息子に対して、理解しよううと本を読み、無抵抗が良いと書いてあったから反抗しないでいた。いわば、物言わぬ壁になったのだ。息子はより荒れた。そして殺人が起こった。現在刑務所にいる父は、答えを捜そうといまも読書を続けているという。
 与那原は、失われた感性、倫理性、時代を経て読み変えられていった様々な人間の関係を捜し続けている。その違和感は、東京生まれの沖縄人である自分に向けられた視線でもあるように思われる。


消えた子どもたちを捜して! 続発した行方不明事件の謎
近藤昭二:二見文庫:¥495
 著者の近藤昭二は、森崎東の『生きているうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』、『ロケーション』のシナリオを書いている。また、スーパーテレビなど、国内犯罪ものについての番組に多く参加しており、NHK特集の吉展ちゃん殺しの取り調べ室の模様のテープを元に構成した番組を構成している。
 新潟の監禁事件が発覚したタイムリーな時期に、いまだ未発見の時間を何件も追っている。こんなに日本でも失踪事件が多いのかと驚く。中には40秒目を離した隙に消えてしまったなど信じられない事件が出てくる。アメリカで失踪事件が多いのは知られているが、日本もこんなに多いのは、車社会など、社会がアメリカ型に変わってきている証拠なのだろう。


洗脳原論 
苫米地英人:春秋社:¥1,500
 オウム・シスターズと電撃結婚したトベッチ。警察庁長官狙撃容疑者のビデオをテレビ局に流したり、やることは派手である。
 彼が自らの脱洗脳の手法を明らかにした。克明に書かれているのは、オウムの幹部、都澤の洗脳を解く様子だ。いとうせいこうの「解体屋外伝」にその様子が書かれていたけど、より具体的に書かれている。この部分だけでもスリリングで一読の価値はある。
 脳内でのヴァーチャルな闘いを描いていてほとんどサイバーパンク。ホントにここまで出来るのかと思うくらい人間を解体してしまう手法自体、逆洗脳だ。


アジアパー伝 
西原理恵子 絵 ・鴨志田穣:講談社:\1,400
 カモちゃんこと、サイバラのダンナのカメラマンの若き日のバカ放浪記。カメラマンになろうと単身タイに渡るが、その日にバクチで機材を全部カタに取られ、再度渡っても仕事が無く、ヤク中毒になったり、カンボジアの内戦に巻き込まれたり、こういう人の回りには不思議な人が集まる、その(悲惨な)交遊記など。読んでいて飽きない。妻サイバラのマンガも冴えてる。


三谷崖っぷち日記
大山史朗:TBSブリタニカ:¥1,300
 三谷に20年近くも暮らす作者による記録。そこには何の脚色、誇張もなくただ淡々と描写される人間と街の姿がある。作者が必要以上には自分のことは語ってないのでどういう前歴を持っているか分からないが、初老で厭人癖がある男。こうやって生きていける世界もあるのだと覗き見させてもらいました。


素敵なダイナマイトスキャンダル
末井昭:角川文庫:¥300
「写真時代」、「パチンコ必勝ガイド」、「笑芸人」、「野球小僧」と白夜書房を支える数々の雑誌の編集長、発行人である末井氏の自伝。絶版の文庫本。これも幻冬舎アウトロー文庫候補だ。「写真時代」などはいまや古本屋でプレミア価格になっている。
 タイトルは彼の母親が不倫の果て相手とダイナマイトで心中した、事実から来ている。ね、すごい話でしょ。
 芸術をやりたくて、絵を描きたかったのだが、キャバレーの立て看板をかいていた末井氏はある日気がついた。「自分は描きたい表現したいという情念はあるが、実の所表現したいモノは何もない」ことに。そこで書くことをやめ、編集者末井の快進撃が始まる。
 この本では「写真時代」までだが、その後を書いて欲しい。なにしろパチンコをやらなかった男が「パチンコ必勝ガイド」を大ヒットさせたのだから。まあ小豆相場で何億かの借金があると西原理恵子は書いていたけどね。


ラヴ&フリーク ハンディキャップに心惹かれて
北島行徳:文藝春秋:¥1,619
 障害者プロレスの第二弾。その後の「無敵のハンディキャップ」だ。
 彼らが有名になればなるほど、歪んだ自己愛が吹き出してくる。それは唐突で直線的なのだが、それだけに悲惨だ。どこかで人間関係が壊れている。他人に甘えることが当然だと思っている奴、利己的な奴、せこい奴など、出てくる。何が、誰が醜悪なのか。偽善というなの偽悪のようにしか思えない。


凡宰伝
佐野眞一:文藝春秋:¥1,619
 「先生、このままで行くと日本は滅びますでしょうか?」。これは、ある識者会議でこの総理大臣が聞いた言葉だ。聞かれた学者は 即座に「あなたは、そんなことは聞いてはいけない」と返した。素晴らしすぎる一国の首相である。
 佐野眞一は、小渕に対する徹底的なインタビューで、彼の政治T屋U人生と、彼自身の人間を掘り下げていく。そして、彼の父親、保守王国群馬で、中曽根、福田に挟まれながらも生き残ってきた、そのためには汚職は当たり前という風土の中で生きてきた背景。
 恐るべき凡宰がどのように生きてきたのか。彼はどこに行こうとしていたのか。それを余すところ無く書いたよく調べあげられたノンフィクションである。これを読めば、今の自民党型、小選挙区制型、政治の仕組みと土壌が見えてくる。どうして自民党が、政権政党でいられるかもだ。


笑え!五体不満足
ホーキング青山:星雲社:¥1,600
 大川興業が大好きで、お笑い芸人となった、五体不満足なホーキング青山。乙武クンに対抗意識(ヤッカミ)を抱き便乗本を出す。
 そこには、身障者が、アタマは普通でも養護学校に入れられる悲惨さが描かれている。「こんな奴等と一緒にいたらこっちまでおかしくなっちゃうぞ」という環境を切り抜け、よけいな街のババアの親切を「うるせえんだ、黙ってエロ本も買えないじゃないか」と切り返す。これを笑うか、怒るかは、お任せします。ただし僕は「五体不満足」は読まないだろう。


不肖・宮嶋 踊る大取材線
宮嶋茂樹:新潮社:¥1,500
 どうもこの人というか、報道カメラマンと称する人間には、胡散臭さを感じてしまう。どこがパパラッチと違うのか分からない。確かに現場を押さえるためには、何でもやる。その課程が面白いのは確かだが、それは、カメラマンのアドレナリン分泌による高揚感。バックにフライデーなり、週刊文春が付いている心強さでしかない。
 ようは、兵隊と同じなんだ。考えず、ターゲットを捕らえる。そこにはターゲットは敵としてしか認識されず、兵隊は発表後のことや倫理のことは考えない。それは編集部まかせっていうこと。どう大義名分をつけても覗きと変わり無い。
 「読者が望むから」というのは免罪符でもない。まあ、カメラマンが時代を切り取る役割は終わったのかもしれない。ロバート・キャパやLIFE誌などに発表していたカメラマンと、同列に置くことに無理があるんじゃないだろうか。特ダネ写真をどう撮るかを知るには面白い読み物です。


悪人志願
本橋信宏:メディアワークス:¥1,800
 マイナーな人好みの作者は、江頭2:50にインタビューする(これ自体貴重な資料だと思うのだが)。ヘアヌード写真集の仕掛人や、元麻薬中毒者、もちろん村西とおるも。そんな人たちのインタビューは面白い。ただそれだけだけど。


修羅場のサイコロジー
本橋信宏:講談社:\1,600
 あらゆる中毒、クスリ、睡眠薬、アル中、うつ。作者とそのまわりの人々のずたぼろの記録。幻冬舎アウトロー文庫にぜひ入れて欲しい。中毒性のある物質が精神・肉体に与える影響。そして社会的に沈んでいく様子を主観的に冷静に(いや冷静ぶって)描いている。最後に森田療法に行き着くのはいいが、祖先に自分の性質の原点を持っていくのはなんだかなあという気がする。


スローフードな生活! イタリアの食卓から始まる
島村菜津:新潮社:¥1,600

 食事に意地汚く無い人は、どこか信用できない。うまいものがわからん人は悲しい。まあ、それがグローバリゼーションとか、マクドナルド化する世界と呼ばれるんだろう。本書は、そうでない方法があるんじゃないかという、イタリア人によってはじめられたシャレの運動である。内容は、スローフード協会の宣言文にすべてが書かれてある。丁寧な取材にも好感が持てる。

 快楽の保持と権利のための国際運動
  我々の世紀は、工業文明の下で発達し、
  まず最初に自動車を発明することで、生活のかたちを作ってきました。
  我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の観衆を狂わせ、
  家庭のプライバシーまで侵害しTファーストフードUを食することを強いる
  TファーストライフUという共通のウイルスに感染しているのです。
  いまこそ、ホモ・サピエンスは、この 滅亡の危機に向けて
  突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。
  我々の穏やかな悦びを守るための唯一の道は、このファーストライフという
  全世界的狂気に立ち向かうことです。この狂乱を効率と履き違える
  やからに対し、私たちは完成の悦びと、ゆっくりといつまでも持続する
  楽しみを保証する適量のワクチンを推奨するものであります。
  我々の反撃は、Tスローフードな食卓Uから始めるべきでありましょう。
  ぜひ、郷土料理の風味と豊かさを再発見し、
  かつファーストフードの没個性化を無効にしようではありませんか。
  生産性の名の下に、ファーストフードは私たちの生き方を変え、
  環境と我々を取り巻く景色を脅かしているのです。
  ならば、スローフードこそは、今唯一の、そして真の前衛的回答なのです。
  真の文化は、趣向の貧困化ではなく、成長にこそあり、
  経験と知識との国際的交流によって推進することができるでしょう。
  スローフードは、より良い未来を約束します。
  スローフードは、シンボルであるカタツムリのように、
  この遅々たる歩みを、国際運動へと押し進めるために、
  多くの支持者たちを広く募るものであります。



マラソンでたらめ理論
小出義雄:ベースボール・マガジン社:\1,300
 次の参議院選挙候補、小出監督の語りおろし。この段階ではまだ高橋尚子は無名の選手でしかない。だからたいしてつっこみのない良くある、指導者とはなにか本に終わっている。結局はこの国のスポーツ・ジャーナリストはスポーツ界OBか、選手ヨイショのどちらかしかない、いびつな形のまま進んでいくのだろうか。
 本の内容はって?オリンピック便乗で出ている他の本も変わりないと思うけど、現役の人はホントのノウハウは語りませんな。


タンポポ・ハウスのできるまで
藤森照信:朝日新聞社:\2,400
 80年代、都市を歩き回り建築探偵として衝撃を与えた藤森氏の自宅を作るまでの奮闘記。評論家から建築の現場へ、あらゆる今の建築の手法に反して作り上げる、現場のとまどいがおもしろい。
 建築界には「赤系」と「白系」があるのを聞いた。「赤系」は、コンセプトより住み心地、住むためつまり血の通った部分を重視する。反対に「白系」はコンセプト重視の訳のわからん建物類を指すという。とは言え藤森氏の家は「赤系」を目指したわりには「白系」になった感がある。惜しむらくは、一体いくらかかったか明らかにしてもらいたかった。


ブックオフと出版業界 
小田光雄:ぱる出版:¥1,800
 重宝してます、新古本屋。問題は、探している本が見つからないことだ。そういう本はどこにあるのだろうか。とふと思う。大体、最近ではCDは中古屋で買うという人が多いらしい。本にもそれが当てはまるんだろうけどね。文藝春秋に書かれていたけど図書館がベストセラーのリクエストで埋まって、本が買えないらしい。ああ無情な世界だ。
 本は80年代に、「書物」から「情報」になった。だから、所有して読むのではなく、目を通すためにはブックオフは最適だろう。しかし、問題は、在庫がはけない限り、それは買い入れだだけの古本でしかない。売れないと意味がない。だから市場が飽和に陥ると新古本屋は壊滅する。すると本は紙屑となるのか。