紀行

火の見櫓の上の海 東京から房総へ
川本三郎:NTT出版:¥1,300
 平日の朝、早起きする。今日は急ぎでやることはない。外は雨だ。そうだちょっと千葉まで行ってみるか。両国から汽車に乗り、ゴトンゴトンと各駅停車の旅。東京にとっては“近所田舎”という言葉がぴったりの千葉。明治時代から静養、学生の徒歩旅行、臨海学校にと昔から賑わっているにも関わらずあか抜けない場所。つげ義春が好きだった風景と言えば分かりやすいだろうか。そんな風景を作者は歩く。銚子、野田、外房、内房。歩く速度がちょうど良い具合だ。



鉄の胃袋中国漫遊
石毛直道:平凡社:¥1,600
 大阪万博公園にある歴史民族博物館は、日本で数少ない世界に誇る博物館だ。ここでは、生きた展示がなされているし展示の内容、並べ方も素晴らしい。梅棹忠夫をはじめとする京都大学学派に始まる民族学の結果が出ている。しかもここは、変な学者をたくさん出している。現館長の作者もそのひとりだ。この本は、80年代後半、まだ中国の自由経済策がようやく効果を表してきた時期、まだ自由に中国を旅行出来ない時期。この時期に上海、広州、杭州、四川、広東、と中国中を食い散らかしていきながら、思索する。まさにフィールド・ワークである。料理の写真も美しく。食欲をそそられる。一冊だ。
 家庭で出来る本格チャーハン。
 具材を切り、サラダ油で炒め、鍋から引き上げる。
 再び鍋にたっぷりの油を入れ鍋が温まったら、とき卵を入れてかき混ぜる。
 卵が少し固まったところでご飯と具を入れて、ひたすら炒める。チャーハンとは炒飯だからだ。
 ごはんが炒められたら、塩胡椒で味を調えてできあがり。