つるつるの壷 町田康:講談社:\1,400 ついに芥川賞を取ってしまった町田康のエッセー集。このごろ主張だけで芸のないエッセーの書き手が多い中、過度ともいえるサービス、自虐的なまでの諧謔精神。平成の戯作者と呼んでも良いだろう。筒井康隆がつまんなくなったいま、坂口安吾のヒロポン打ちながら書いたエッセーが滅茶苦茶な文体ながら滅茶苦茶おもしろいのと同じく、酔わせてくれるおとこである。内容は重複しているのがあるのが難。